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vol.6 } エディター・アサイアサミ+小日向しえ「about birtH verSe interview」/ birtH verSe(バースバース)

editor

ASAMI ASAI

about

birtH  verSe

interview

前編

 

『小日向しえは、何者なのか。

今はなるべく楽しく、気持ちよく

モデル、女優、ミュージシャン、さまざまな顔を持つ小日向しえが新たに表現の場を持つ。

それがこのウェブサイト『バースバース』。

様々なクリエイターと彼女がガチンコでコラボし、作品を発表していくのだという。

「あなたはいま何者なの?」と訊くと「なんだろうね?」と軽やかに笑う。

vol.6 } エディター・アサイアサミ+小日向しえ「about birtH verSe interview」/ birtH verSe(バースバース)

ーーまず、しえちゃんは元気ですか?

 

「元気です。でも、しばらくは外出をする事が怖かった時期もあるし…とにかく家から出るのが嫌だなって時期もありました。 

それでも子どもとの暮らしがあって、学校のこととか課外活動とか、当然外へ出なければいけない事もあり、始めは恐る恐る…でも、そうしているうちに、すごく図々しく外に出られるようになれたから、今はそれに救われたなーと思っています。

昔はふつうに出来ていたことが、出来なくなった時期があったから、もう一回ふつうを取り戻してる最中かもしれない」

 

ーー「ふつうを取り戻している」とは、例えば?

 

「子どもが大きくなって、じぶんの時間を少し確保できるようになって、限られた時間の中で、映画や舞台などエンターテインメントに触れることかな?『私は本来、こういうエンターテインメントに参加することも見る事も楽しいと思っていたし、厳しいことも言ってきたし、厳しいことも受け止めてやってきていたなぁ…』とか思い出すようになってきました」

vol.6 } エディター・アサイアサミ+小日向しえ「about birtH verSe interview」/ birtH verSe(バースバース)

ーーしばらく「小日向しえ」個人から「妻」や「母」といった誰かの支えになっていたんですね。それも全力で。

 

「誰かのために動いているのがここ十数年。そんなある日、じぶんが食べたいものすらわからない時期があったんです。誰かのために生きると、じぶんを構築するいろんなものを置いてけぼりにしちゃってたり、ときには失ったり…。でも、それは私にとって必要な時間でもあり、それがあったからこそ、いま『私ってなんだっけ?』という再捜索を楽しくできているんです」

 

ーーしえちゃんに限らず、今は誰かのためにじぶんを生きているひとが多いかもしれないですね。人の目を気にしたり、忖度して生きている。

 

「でも『誰かのためのじぶん』になんて、本当はなりきれないんですよね。私は、10代でモデルになって、20代に音楽や役者もやらせていただいて。あの頃は大人の人相手に、じぶんの主義主張をぶつけて、ものづくりしていました。そして今、あの頃のじぶんに少しずつ 少しずつ戻ってきている気がする」

 

ーー10代20代はきっと表現者として猛烈にアウトプットしてきて、家庭に入ってじぶんを失っていたときは密かにまたインプットしていたんじゃないかなと。そしていま、またアウトプットのタイミングに来たと。

 

「まさに、いまそんな時期かもしれない。

生まれ変わりというと大げさだけど、一度空っぽにして、またもっとおもしろいことをどんどん詰め込んでいく作業が今。

でも、10代20代のころと違うのは今の私にはここまで歩んできた背景の物語があること。地続きで『これは好きだった』『あれは嫌いだった』と答え合わせをしている感覚もあります。また『嫌いだったけれど、もう1度やってみようかな』『ずっと好きだったけれど、今じゃない』という判断もできるようになってきている。これは大人になったっていうことなのかな?」

vol.6 } エディター・アサイアサミ+小日向しえ「about birtH verSe interview」/ birtH verSe(バースバース)

ーーじぶん自身の感覚をよりキャッチアップできているのが今のように見えます。ちなみに、ヒトに好かれたいって思っている?

 

「え、いきなりだな。全然思ってない(笑)。だからひとりでも全然大丈夫なのだけど、何か引っかかって友達になってくれた人や絆を深め合える仲になれた人の事は全力で守るし応援するし愛するっていうのは強くあるかなぁ…重いっすか?(笑)。10代20代の頃は人気者になりたいというより、私の周りの人の期待に応えたい、みんなのために売れたい、売れなきゃ、みたいな気持ちだったかも」

 

ーー「誰かのために」が「じぶんのために」なるのが小日向しえなのかもしれません。現在の仕事へのスタンスもそう?

 

「フリーランスで、肩書もさまざま。モデルの仕事がくればモデルだし、お芝居の仕事で呼ばれれば役者なんだと思います。どれも全部楽しいし、どれも誰かが私に求めた役割。やっぱり誰かに求められこそ、じぶん自身が商売道具なので。今はできることをやっています。声をかけていただいたことを全力で取り組んでいます」

 

ーーやはり「誰かのため」のひとであり、表現者でもあるんですね。

 

「そう。でも受け身だけではなく、まわりの素敵な友人らとはじめたのがこのウェブサイト『バースバース』。

年齢を重ねると経験もたくさんしてきて、しんどい場面も時にはあったけれど、今はなるべく楽しく、気持ちよく、仕事ができる場所を「みんな」で共有したい。好きなひとと好きなことをするためにここをつくりました」

vol.6 } エディター・アサイアサミ+小日向しえ「about birtH verSe interview」/ birtH verSe(バースバース)
vol.6 } エディター・アサイアサミ+小日向しえ「about birtH verSe interview」/ birtH verSe(バースバース)

Team is, 

Text:Asami Asai
Photographer:Yuji Imai 
Styling & Hair:Shie Kohinata
Direction:YAWNS. (Sie Kohinata & Miku Yokota)

Outfits

NIKE(Sweat)

CaNARi TOKYO(pierce)

© 2018 birtH VerSe / all rights reserved.

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